
予測型ロジスティクス向け量子セキュア無線データ転送 ポスト量子暗号を用いた安全なリアルタイムの車両データ伝送の実現
2025.09.19
現代のサプライチェーンの補給維持活動は、世界的な不安定性、需要の変動、そして脆弱なインフラといった課題に直面しています。米陸軍の近代化施策により、車両やプラットフォームから新たなセンサーデータストリームが導入されましたが、現行の通信システムは、任務中にこれらの情報を安全に送信するように設計されていません。フェーズIで取り扱うデータには、J1939 CANBUSセンサー(非CANBUS車両に搭載)、身体装着型センサー、そしてセンサーを搭載したテザードローンが含まれます。
Forward Edge-AI は Verizon と提携し、Phase I SBIR プロジェクトにおいて、安全で拡張性のあるソリューションを開発しています。これは Isidore Quantum® 暗号技術 を Verizon の 5G および衛星バックホール機能と統合するものであり、国内および展開環境の双方において、強靭かつ安全な物流データ転送を実現します。
これにより以下が可能となります:
- ● 供給および在庫の先回り管理
- ● シナリオシミュレーションによる自律的な物流の最適化
- ● 車両センサーのリアルタイムデータに基づく予測保守
- ● 通信環境が劣化した戦場における強靭な適応
これらの能力は、人による介入を削減し、運用速度を高め、全体的な即応性を強化します。
このシステムは、リアルタイムでの障害に適応することで強靭性を確保し、量子耐性を備えたアーキテクチャによって、新たな脅威に対してロジスティクスを将来にわたり保護します。これらのイノベーションを組み合わせることで、自己修復型で適応可能な持続支援ネットワークが構築され、任務遂行態勢が強化され、ますます複雑化する運用環境において決定的な優位性を提供します。
さらに、グローバルなサプライチェーン、持続支援(sustainment)オペレーションにおいては、混乱、データ操作、サイバー脅威に対する脆弱性が高まっています。予測ロジスティクスのアーキテクチャにブロックチェーンを組み込むことで、分散環境全体にわたり、信頼できるデータの出所と安全な記録管理を実現する分散型・改ざん不可能な台帳を提供します。
ブロックチェーンが本来持つ透明性と改ざん態勢は、センサー出力、在庫移動、保守作業の追跡など、リアルタイムのロジスティクスデータに信頼できる基盤をもたらし、システム全体を監査可能にするとともに外部干渉に対して体制が強化されます。この不変性は、データの完全性を強化するだけでなく、サプライチェーン内のすべてのノードにおけるトレーサビリティ/追跡可能性と説明責任の向上も可能にします。
その後、エージェント型AIはこの検証可能なオンチェーン履歴を活用し、データ完全性に高い信頼を置いて、供給ニーズの自律的な診断、在庫レベルの予測、ロジスティクスシナリオのシミュレーション、保守作業の開始を実行可能にします。さらに、ブロックチェーンに組み込まれたスマートコントラクトは、あらかじめ定められたルールに基づき(例:しきい値に達した際の自動補給発注)、こうした意思決定を自動化できます。そしてスマートエージェントがフィードバックループをシームレスかつ自律的に閉じることで、全体の仕組みが円滑に機能します。
この統合により、量子時代の脅威からロジスティクスネットワークを保護し、人による監視を最小化するとともに、データ取得からアクション実行に至るあらゆるロジスティクス事象が、信頼性・追跡可能性を備え、ミッション目標と完全に整合することが保証されます。
このソリューションは、従来のアプローチに比べて複数の利点を提供します。
IsidoreQuantum® はプロトコル非依存のレイヤ2暗号化を提供し、CNSA Suite 2.0 に準拠しているため、量子耐性と既存の陸軍ネットワークへの容易な統合を両立します。従来の暗号化ソリューションと比較すると、実装速度は 75% 高速、コスト効率は 60% 向上 し、Controlled Cryptographic Items(CCI)/管理対象暗号化アイテム に伴う管理負担も回避できます。
さらに、Verizon のグローバル通信インフラにより、セルラーおよび低コストの衛星バックホールを通じて、CONUS(米国内)および OCONUS(海外)環境へのスケーラブルな展開が可能になります。
統合システムは、安全で「設定後メンテナンス不要(set-and-forget)」コスト効率に優れているだけでなく、DDIL(通信が遮断・品質低下・断続・制限される)環境に対しても強靭であり、戦闘環境下における必須の要件を満たします。
このソリューションは、軍事および商業市場の双方で幅広く応用可能なデュアルユース技術 として設計されています。
軍事分野 では、予測ロジスティクスを支援し、指揮官が車両の状態、燃料、弾薬、故障コードをリアルタイムで把握できるようにすることで、即応性、持続性、任務遂行能力を向上させます。
商業分野 では、同じ機能が車両管理、物流、輸送、サプライチェーン最適化に応用可能です。具体的な活用事例としては、民間車両フリートの予知保全、製造業や医療分野におけるAIによる意思決定支援、農業におけるリアルタイム監視、緊急サービスの調整、海上運用などが挙げられます。
本質的に、この技術は、陸軍の統合ネットワーク・システム・オブ・システム近代化の優先事項を直接支援するとともに、安全なワイヤレスデータ転送を必要とする多様な商業分野にも対応しています。
Forward Edge-AI,Inc.の詳細につきましてはホームページをご覧ください。
お問い合わせ先:
アスピレイション株式会社